ハートサークル - 悩みを持つ人のための交流相談サイト

コラム

メンタルクリニック、精神科、心療内科、神経内科、神経科の違い

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは。アドバイザー会員、精神科医 兼 月1精神科患者のウサギツネです。相談掲示板やプライベートメッセージでの相談で、心にまつわる病気で医療機関を受診したいけどどこに行けばいいのかわからない、違いがわからない…といった質問がとても多いので、皆様の参考になるようまとめました。

①メンタルクリニック

 これは、②の「精神科」の診療所(クリニック)です。診療をしているのは精神科医です。やはり精神科には偏見や抵抗も少なからず残っているので、「~内科クリニック」」のように街中で「~精神科クリニック」と書くと患者さんが入りづらくなるため、カタカナにして柔らかく表現しています。

②精神科

 心の病気を専門に診断、治療する科です。統合失調症、双極性障害(躁うつ病)、うつ病、適応障害、強迫症、不安症(社交不安、パニック症など)、PTSDや解離症などのトラウマ関連疾患、摂食障害、睡眠障害、発達障害、パーソナリティ障害、アルコール・薬物依存症などが精神科で扱う代表的な病気です。心の悩みやストレスで「日常生活に支障を来すほどの苦痛」が「一定期間持続」している人は、この精神科領域の治療対象のいずれかに入ると思われます。
 ちなみに余談ですが僕の好きなバンドの曲にこんな歌詞があります。『「彼女に振られたんですよ」 と心療内科の先生に 相談したら 自業自得だと説教されて帰された』(amazarashi『風に流離い』)。
精神科(心療内科)の敷居が低くなってきたからか、実際に最近診療をしていて恋愛関係のもつれで精神科にやってくる人がちらほらいらっしゃいます。DVなどの案件は治療対象ですが、失恋や浮気をされてといったところでの傷心は(本人にとっては重大な悩みや苦しみであるのはわかりますが…)少なくともそれは「病気」ではありませんので、そういった理由「だけ」での受診は控えてください。精神科はお悩み相談所ではなくあくまでも医療機関であり、治療が必要な病気の人を保険という公的なお金を使って治療するための場所です。恋愛相談はハートサークルを活用するなどしてくださいね(^ω^`)

☆児童精神科

中学生ユーザは対象に入るので合わせて紹介いたします。15歳までの子どもに特化した精神科です。子どもの発達障害、虐待のトラウマ、不登校などを診ていますが、中でも発達障害の患者数は発達障害科と言ってもいいくらい多いです。児童精神科勤務経験がない精神科医は発達障害を見逃してしまったり逆に過剰診断してしまったりということが多いので、15歳以下なら児童精神科を受診するほうがよいかもしれません。ただし日本ではまだ非常に数が少なく、初診予約が半年待ちとかもザラです。

③心療内科

 これは実にややこしく使われている用語です。 一番多いのは実態は「精神科」ですが言葉のイメージを柔らかくするために「心療内科」という科名を使っているというパターンです。この場合、診療科目に「精神科」も後ろに併記されていることがほとんどです。
 しかし、日本国内の一部の大学病院や研究機関(東京大学、東邦大学、関西医科大学、九州大学、鹿児島大学、国立国際医療研究センター国府台病院)では、精神科とは別に、れっきとした「心療内科」が存在します。この本当の心療内科は心身症、摂食障害、過敏性腸症候群、慢性疼痛、慢性疲労症候群、ストレス誘発性の強い喘息やアトピー性皮膚炎etc…。原因は心理的な要素が大きいけれどもカラダの症状として現れる疾患の治療に特化した診療科です。もしここに挙げてるような疾患で困っておられる人には精神科よりもオススメしたいのですが、この本物の「心療内科」はさっき挙げた通り非常に数が少ないので、近くに住んでたらラッキーとしか言いようがありません。
 あとは、診療科目に「内科」を前に掲げて「内科、心療内科」と併記してあるパターンもありますが、このような標榜の場合はそのクリニックの医師は基本的に内科医と考えてください。軽度の不眠や自律神経失調症程度で短期間軽い薬を処方してもらうぐらいだけならよいかもしれませんが、それなりに症状の重い人には向きません。

④神経内科

 精神的な問題からではなく、脳や脊髄、末梢神経、筋肉のどこかに原因となる病変がはっきりしている病気を扱う「内科」の一分野です。主な病気としてはパーキンソン病などの神経難病、脳梗塞、認知症、てんかんなどが挙がりますが、検査技術が発達する前(つまり原因となる病変がわからなかった時代)は元は精神科が診ていた病気も多いです。
 現在でも認知症やてんかんなどは精神科、神経内科のどちらでも取り扱っています。しかし、それ以外の精神科領域の病気は神経内科では対応してもらえません。ここのユーザの皆さんの多くは対象外ということになりますので、くれぐれもご注意ください。塩対応されて精神科に紹介状書かれておしまいです(⚭-⚭ )

⑤神経科

 「神経内科」とややこしいですね。歴史的背景については皆さんにはどうでもよい医学界の内輪話なので省略しますが、これも要は「精神科」なのです。あくまで内科の一診療科の神経内科ではありません。おそらく、「神経科」とだけ掲げてるクリニックや病院はないと思います。よく見れば「精神科」や「心療内科」と併記されているはずです。

 最後に、精神科にもクリニックと病院がありますが、既にかなり症状の重い人(特にこれまでに自殺を図ったことがある人や感情が爆発して破壊的な行動をとったことがある人など)は病院をかかりつけにしたほうがいいかもしれません。クリニックをかかりつけにしていても診察時に病状が外来通院では難しいぐらいに悪化していると判断されれば入院のために病院へ紹介されることもありますが、クリニックは診療時間外には電話は繋がりません。その点病院は24時間電話は繋がりますし、誰かしら必ず医師、看護師がいます。入院するかしないかは状態次第ですが、少なくとも電話でどうすればいいか、すぐに受診したほうがいいかなどの指示をスムーズにもらうことができます。もちろん普段はクリニックをかかりつけにしている人でも夜間、休日に急激に病状が悪化した場合には各県の精神科救急情報センターに問い合わせるなどの方法もありますので、緊急時にはそういった社会資源も活用してください。

メンヘラ精神科医 ウサギツネ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加